『メディアは目に見える。』

 こんにちは、慶應義塾大学湘南藤沢
キャンパス藁谷郁美研究会です。

  2011年3月11日以降、地震、原発、エネルギー問題等が日本だけでなく、世界を巻き込み論じられています。さまざまなメディア媒体に報じられるニュースコンテンツは、これら世界共通のテーマを、しかしながらまったく異なる視点から提示されています。日本語で発信されたニュースコンテンツに関して、たとえば英語、ドイツ語、中国語、韓国語等、その発信「言語」が異なると、伝えられる内容も異なってきます。メディア言語の違いは、掲載される写真、選択される表現、重点領域、問題点の提示等の違いにもつながります。いったいどこに、その「違い」の要因があるのでしょうか。メディア表現の違いは、何を意味するのでしょうか。
  この研究会では、その問いを問題提起としながら、そこから問題発見・考察をじぶんで導くトレーニングをします。 研究会内では、多様なメディアで論じられている諸問題の中から、各自の問題意識に基づいてテーマを設定し、原文で書かれた資料を収集し、考察・検討を行い、結論を出します。様々な分野 ― 文学、宗教、芸術、フェミニズム、スポーツ等 -における言葉のもつ意味・作用について、実際に分析し、考察して結論を導きます。
  具体的には、文学作品、あるいは新聞記事等のマスメディアにより作り出される資料、政治パンフレット等を取り上げ、それぞれのテキストの中で言語がどのように用いられているのかを検討し、それがいかなる言語効果と結びついているかについて言語分析を行います。メディア一般の多様性に注目し、段階、進度に応じて、画像、音声等を通した資料収集も積極的にはかります。
  インタヴューやアンケートを実施することによってデータを集めることもできます。 同時に、問題設定から論文(レポート)の完成にいたるまでの能力を養います。自分(達)のテーマに沿った資料を、どこで、いかに収集することができるのか、実際に試行錯誤することから始め、そして収集した資料の検討作業に入ります。